方立てを使用すれば、コーナーガラスの入れ替えもできます。
突合せ部分
東京都八王子市のYさまより、ご依頼いただきました。日本板硝子製の真空ガラス「スペーシアST」への入れ替えです。
ガラスとガラス同士が直角に突き合わさった部分を突合せと言います。このガラスの突合せの部分を真空ガラス「スペーシアST」に交換しました。
スペーシアは、ガラスの間の真空層を長期間に渡って維持できないという理由から、ガラスの突合せ加工はできません。
そこで、突き合わさる部分にコーナー方立てを立てて、ガラスを完全に2窓に分けました。
同業者の方も必見の施行例です!
それでは、手順を施工写真つきで詳しく解説していきます。施行例のはじまり、はじまりで~す。
担当店舗 | 窓工房 本店 |
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施工地域 | 東京都 八王子市 Y邸 |
施工時間 | 2時間/1窓 |
内容 |
ガラス突合せ部にコーナー方立てを利用したガラス交換。 使用したのは、日本板硝子製の真空ガラス「スペーシアST」の不透明タイプです。 |
施工手順
1. まずはガラス戸を取り外します。
まずはガラス戸を取り外します。
2. ガラスの突合せが問題です。
最も気を使わなければならないポイントはガラスの突合せ部分です。
真空ガラス「スペーシアST」の場合は、真空状態を長期間に渡って維持させるために、ガラスの突合せ加工ができないことになっています。
赤いラインがガラスの突合せ部分になります。
そのため、ここにアルミの方立てを設置し、ガラスを完全に2窓に分けることから始めました。
3. ガラスを取り外したサッシ枠の状態です。
ガラスを取り外したサッシ枠の状態です。
余談になってしまいますが、ここの部分にガラスが入ります。
メーカーにガラスを発注する場合は、このサッシ枠に隠れる、飲み込み部分も寸法に付け加えて発注します。
4. 仮のコーナー方立てを設置します。
仮のコーナー方立てを設置してみます。
これは納まりを確認している作業です。
既存のアルミサッシと新しく取り付けるコーナー方立ての納まりを確認します。
5. コーナー方立てを裁断して、設置します。
寸法に合わせてコーナー方立て裁断して、コーナーに設置します。
既存サッシとの間にできる微妙な隙間は後ほどコーキングで処理します。
6. コーナー方立てをネジで固定します。
室外側からコーナー方立てをネジで固定させます。
7. コーキングで既存サッシとの隙間を処理します。
コーナー方立てを設置することにより、どうしても発生してしまう微妙な隙間は、コーキング材で処理します。
方立てを簡単に設置することは難しいものです。既存サッシと方立てとの間を隙間なく設置して、つなぎ止めることは神経使う作業になります。
8. 真空ガラス「スペーシアST」の登場です。
いよいよ真空ガラス「スペーシアST」をはめ込んでいきます。
9. 真空ガラス「スペーシアST」をはめ込みます。
真空ガラス「スペーシアST」をきっちりはめ込みます。
使用したのは、不透明タイプの真空ガラスになります。
10. 左右の押し縁(おしぶち)をはめ込みます。
左右の押し縁(おしぶち)をはめ込みます。
はめ殺し窓、あるいはFIX窓などと言われている固定窓は、ほとんどこのパターンでの取り付けになります。
左右にこの押し縁材を使用するものもあれば、上下に使用するものもあります。
11. もう一枚の真空ガラス「スペーシアST」をはめ込みます。
もう一枚の大きい方の真空ガラス「スペーシアST」を、同じ要領ではめ込みます。
12. サッシ枠に押し縁用のグレチャンをはめ込みます。
サッシ枠の左右上下の淵に、押し込み用のグレチャン(ゴム材)をはめ込みます。
13. ガラス突合せ部の真空ガラス「スペーシアST」の入替え完成です。
ガラス突合せ部の真空ガラス「スペーシアST」の入れ替え完成です。
コーナー方立てに使用する部材選びに一苦労しました。仕上がりもよく一安心しております。
今回のようなガラス突合せ部の真空ガラス「スペーシアST」への入れ替えは、とても難易度の高い施工になります。
他のサッシ屋さんでも、そう簡単にはできないと思っています。
このような施工をさせてくださったお客さまに感謝しています。