音の大きさとは?
騒音は「環境基本法」の観点から考えても、公害と認定されています。
一般的に騒音と思われる音には、工事現場の音や自動車、鉄道、飛行機から発生する音、人の声などがあげられます。
では、これらの音の大きさはどのように表されるのでしょうか。
ここでは音の単位を学んで遮音性能グラフを読めるようになり、実際にどれだけ防音効果があるのか調べてみましょう。
人間の聴覚は、音を「大きい」「小さい」と「高い」「低い」で分類します。
音の大小は「音の圧力」によって決まりこれを計る単位が「デシベル(dB)」で表現されます。
鳥のさえずる音と、ジェット機の爆音などの違いである「音の大小」はこのデシベルで表されています。
一方、音には「大きさ」だけでなく、低い高いなどの音域を表現することもございます。音楽の世界で言えば、ソプラノとアルトの違いでしょうか?
男性の声は低く、女性の声は高めですが、これらの高さ低さを表す単位が、「ヘルツ(Hz)」となります。
よく、「デシベル(dB)」と「ヘルツ(Hz)」は混同されがちですが、これらは異なった性質もっています。
ここでは、音の大きさについて説明いたします。
防音対策をする時、○○dBから△△dBに抑えられます。なんていう表現がされますが、防音対策で二重窓を設置する場合に、このデシベルはとても重要な単位になってきます。
それぞれの音の大きさ
それでは早速、日常生活の中にある様々な音が、どれくらいの大きさで表されているかみてみましょう。
ささやき声・・・・・・・・・30dB
深夜の部屋の中・・・・30dB
人の普通の会話・・・・50dB~60dB
ピアノの音・・・・・・・・・80dB
電車の音・・・・・・・・・100dB
飛行機の音・・・・・・・120dB
5dBの差で、人の耳は音量の違いを十分に聞き分けられると言われています。
内窓(二重窓)を取付けられることにより、0dBにすることはできませんが、「深夜の部屋の中」程度と言われる30~40dBまでなら音を抑えることは可能です。
何デシベルまで防音できるといわれたら、上の表(絵)を思い出して下さい。
そうするとだいたいのイメージがわくと思います。
グラフの見方
某メーカーが販売している内窓の遮音性能グラフです。
このグラフの見方を説明します。
このグラフの見方がわかると、だいたいの防音効果がイメージしやすくなります。
カタログに掲載されている遮音性能グラフを見ると、「あー、なるほど、真空ガラスはペアガラスに比べて、この位の防音効果が発揮されるんだな~」とわかるようになるのではないでしょうか。
人間の聴覚は、音を「大きい」「小さい」と「高い」「低い」で分類します。中心周波数は音の高さを表しています。
例えば、道路の自動車騒音の中心周波数は100~2,000ヘルツという幅広い周波数の複合音で構成されています。
仮に騒音の音域が1000ヘルツとしま しょう。そうすると、赤い折れ線グラフをみると、音響透過損失の値が50dBであることがかります。
ここでいう50dBとは、80dBの音の大きさ(うるささ)が、30dB位にまで減少するということになります。
もう少し分かりやすくいうと、「電車の音でしたら、人のささやき声くらいにまで遮音することができる」ということになります。
ペアガラスは防音効果に優れていない。
例えばガラスなどで説明すると、苦手な音域というのがあります。
それはどういうことかというと、例えば、中心周波数250ヘルツ位の音域だと、総厚22㎜のペアガラスよりも、5㎜の板ガラスの方が遮音性能に優れているということが遮音性能グラフから読み取れます。
ちなみに、一般的によく使われているペアガラスの総厚が12㎜ですから、2倍近い厚さのペアガラスでも、戸建住宅でよく使われている5㎜の厚さの板ガラスに負けてしまうのです。
ここでもわかるように、ペアガラスは防音対策として使用してはならない窓ガラスなのです。