防火ガラスの機能もあるセキュオSPの網入りガラスタイプ
東京都福生市にお住まいのAさまより、ご依頼いただきました。
窓ガラスを網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」に入れ替えます。
セキュオSPは、2枚のガラスの間にポリカーボネート板がはさまれている防犯ガラスになります。
網入りガラスは、防犯ガラスではなく防火ガラスです。ガラスを交換する建物が防火地域になるため、防火ガラスの機能をもつ網入りガラスを採用しました。
セキュオSPは、ガラスの組合せや厚みが異なるタイプが用意されていて、10種類以上のラインナップがあります。
今回のセキュオSPは、室外側はフロート板ガラス(2mm)、中間膜はポリカーボネート板(1.2mm)、室内側は網入り板ガラス(6.8mm)の組合せで、総厚10.5mmのタイプになります。
本来の機能である防犯ガラスの性能と、網入りガラスの機能である防火ガラスの性能の両方を兼ね備えています。
それでは、手順を施行写真つきで詳しく解説していきます。
施工例のはじまり、はじまりで~す。
担当店舗 | 窓工房 本店 |
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施工地域 | 東京都 福生市 A邸 |
施工時間 | 半日 |
内容 |
窓ガラスを防犯ガラスに交換。 使用したのは、日本板硝子製の防犯ガラス「セキュオSP」。構成は、フロート板ガラス(2mm)+ポリカーボネート板(1.2mm)+網入り板ガラス(6.8mm)。ガラス総厚は10.5mm。 |
施工手順
1. 消防署からの通達により、網入りガラスへの交換が必須でした。
現在のガラスは網入りガラスではありません。
消防署からこの施設に、「新しく入れ替える窓ガラスには網入りガラスを使って下さい。」との通達がありました。
そのため、防犯ガラスの入れ替え工事に、網入りガラス付きの防犯ガラスを採用することになったのです。
2. 開口11mmのサッシに厚さ10.5mmの防犯ガラスを入れるには・・・
問題は、網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」のガラスの厚さが10.5mmあることでした。
既存のサッシは開口11mmのため、コーキング施工をするにしても、もう少し開口の幅が欲しいところです。
ガラスの厚さが10.5mmの場合、サッシの開口は14mmは欲しいところです。
3. 既存のサッシの開口を広げます。
窓工房の工場にガラス戸をに持ち帰り、アルミ枠を加工することにしました。
今回のようなケースは極めて稀です。
アルミ枠と防犯ガラス「セキュオSP」との間にコーキング材を打ちます。
仕上がりをよくするため、開口を少し広げる施工を採用することになりました。
4. 引き続き、サッシの開口を広げる作業をします。
網入りガラスタイプの防犯ガラスの厚さは、セキュオSPの場合は10.5㎜です。
セキュオ60の場合は13.3㎜なので、さらに厚いガラスになります。
今回は開口11mmのビル用サッシでしたので、10.5mmのセキュオSPを納めることができます。
一般住宅のサッシですと、開口9mmになるため、そのまま納めることはできません。
開口9mmのしうはアタッチメントを利用すれば納めることができます。
5. アルミ枠に防犯ガラス「セキュオSP」をはめ込みます。
網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」を、サッシ開口を広げたアルミ枠にはめ込みます。
このくらいの開口があれば、コーキング材も綺麗に打ち込めるということで、ほっと一安心です。
6. コーキング施工をするための準備をします。
網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」をはめこみ、四方をビスでしっかり固定します。
防犯ガラス「セキュオSP」の周りにマスキングテープを貼っていきます。
このマスキングテープを貼ることで、コーキング施行(シール施行)が綺麗に仕上がります。
コーキング施工をする前準備になります。
7. 引き続き、コーキング施工をするための準備をします。
同じように、裏面もマスキングテープを貼っていきます。
網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」は、厚さが10.5㎜になります。
一般住宅のサッシ開口は9㎜です。そのサッシに取りつけるとすると、アタッチメントという金具が必要になります。
ただし、アタッチメントは通常、セキュオ30、セキュオ60シリーズにしかありません。
8. 工場から現地にガラス戸を運びます。
窓工房の工場内での作業は終了です。
あとは、網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」を入れたガラス戸を現地に運搬し、再び施工を開始します。
9. 防犯ガラス「セキュオSP」のガラス戸を吊り込みます。
網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」に組み替えたガラス戸を、元の窓枠レールに吊り込みます。
今回は、ガラス戸をはめ込んだあとに、コーキング施行をします。
このガラス戸はかなり重いので、2人ではめ込むことになりました。
10. アルミ枠とガラスの間にコーキング材を打ち込みます。
アルミ枠とガラスの間にコーキング材を打ち込みます。
防犯ガラスをコーキング施工(シール施行)で納めることには、メリットがあります。
そのメリットは、こじ破り対策に効果を発揮することです。
こじ破りとは、アルミ枠とガラスの間にドライバーなどの鋭利なものを突き刺して、こじ破る手口です。
乾燥したコーキング材は硬くなりますから、時間稼ぎができるのです。
11. 室内側のアルミ枠とガラスの間にコーキング材を打ち込みます。
引き続き、室内側もアルミ枠とガラスの間にコーキング材を打ち込みます。
12. コーキングをへらでならします。
コーキングをへらでならします。
13. マスキングテープをはがします。
防犯ガラス「セキュオSP」の両面にコーキングを打ち込み、へらでならます。
コーキング材が乾く前にマスキングテープをはがします。
14. 建て付け調整をして網戸を戻したら、完成になります。
ガラス戸はしっかり隙間なく閉まるか、スムーズに動くか、鍵はきちんと掛かるか、といったことを確認して、建て付け調整をします。
最後に取り外した網戸を元に戻します。
これで、網入りガラスタイプの防犯ガラス「セキュオSP」の入れ替え工事が完成になります。
15. 交換作業を終えて・・・
今回の施設は防火地域にありました。防火ガラスの採用は必須です。
防火ガラスには2種類あります。
そのうちのひとつが、針金入りの網入りガラスと呼ばれるものです。
日本板硝子製の防犯ガラス「セキュオSP」のラインナップの中から、防火ガラスの機能もあわせ持ったものを採用しました。
室外側から、フロート板ガラス(2mm)+ポリカーボネート板(1.2mm)+網入り板ガラス(6.8mm)の組合せで、厚さ10.5mmにもなるガラスです。