強化ガラスとはどんなガラス?
強化ガラスは、板ガラスを約700℃まで加熱した後、ガラス表面に空気を吹きつけ、均一に急激に冷やして製造します。
それにより、一般的な板ガラスに比べると3~5倍の強度が生まれます。
割れても安心なガラス
強化ガラスの破片は粒状
強化ガラスの場合、万一割れたとしても、ガラス全面が粒状になります。
一般のガラスが割れた場合は、ガラスは鋭利な刃先となり人体を傷つける恐れがあります。
ガラスによる傷害事故は、小さなお子様や高齢者に多くみられます。
そんな事故が万一起きた場合、強化ガラスなら破片は小さな粒状になるので、大怪我をする心配はありません。
一般の家庭ではもちろんのこと、学校やオフィス、デパート、高層ビル、ドアのガラスに採用されています。
ガラスによる事故や怪我を未然に防いでくれて、安全面においても期待できるのが強化ガラスです。
ただし、強化ガラスは防犯対策には向きません。
「強化ガラスに交換して欲しい」という問合せもいただきます。
ところが、使用目的を聞いてみると、
「泥棒に入られないように防犯目的で交換したい。」という方が多くいます。
実は強化ガラスは、割ろうと思えば、悲しいくらいに簡単に割れてしまいます。
例えば人がぶつかるような衝撃には強い強度を発揮してくれます。しかし、バールのような先のとがった物で強く叩けばすぐに割れてしまうのです。
そのため、防犯対策として強化ガラスに取り替えることはできません。
強化ガラスを割ろうと思えば数秒で割ることができます。
3mmの板ガラス、網入りガラス、強化ガラスを割る実験(1分39秒)
上記の動画をご覧いただければ、強化ガラスを割ろうと思えば、すぐに割れてしまうことが分かります。
強化ガラスの強度は、どんな場面で発揮されるの?
面には強く、点には弱いのが強化ガラスの特徴です。
強化ガラスは、人がドーンとあたったり、ボールが当たったりする行為に対してはとても強いのです。
けれども、尖ったものでゴツーンと叩いたりする行為に対しては非常に弱いといわれています。
私達ガラス屋は、面強度は強いガラスという表現を使います。
強化ガラスの種類
強化ガラスも様々な用途に合わせて使用されています。
日本板硝子で販売されている強化ガラスを紹介します。
ホームタフライト(住宅用強化ガラス)
住宅に使われている強化ガラスです。身近なところで探すと自動車のサイドガラスとして使用されているのがこの強化ガラスです。
ホームタフライトは、同じ厚さの板ガラスと比べると3~5倍の強度があります。
スクールタフライト(学校用強化ガラス)
スクールタフライトは文字通り学校用に開発された厚さ4mm、5mmの強化ガラスです。
学校ではガラスの破損によって、児童・生徒への傷害が多数発生していたのです。
スクールタフライトは、このような事故を減らして、のびのびと運動できる安全な環境をつくるために開発されたガラスです。
ミントペーンスーパー(型板強化ガラス)
不透明タイプの強化ガラスです。
他の強化ガラスと同じように、ミストペンスーパーは万が一割れても破片が細かい粒状になります。
障害事故の危険も大きく減少させてくれる強化ガラスです。
不透明タイプの強化ガラスですので、目隠し効果を求める場所で使われています。
浴室や洗面所などで使用されていることが多く、プライバシーを守る目隠し効果を発揮してくれます。
セラシルエ(セラミックスプリント熱処理ガラス)
安全性にデザインがプラスされている強化ガラスです。
セラシルエは、フロート板ガラスにセラミック塗料を印刷して、加熱したデザインガラスです。
板ガラスに印刷した色やデザイン柄は、強い 陽射しを和らげるとともに自然な光や色の美しさを室内にもたらします。
視線を隠して、シルエットを映し出します。
同じ厚さの板ガラスと比べて強度が優れていて、樹脂印刷よりも耐久性が優れいます。
パイロクリア(耐熱強化ガラス)
パイロクリアは、防火ガラスとしての性能がありならも、網がありません。
視野を遮るものがないので、窓から景色を存分に楽しめます。
特別な熱処理加工を施した超強度の強化ガラスです。同じ厚さなら普通のガラスの6倍を超える強度があります。
割れにくく、万一割れても、破片が細かい粒状になり、大きなケガの原因にもなりません。
万一の火災発生時には、防火ガラスとしての性能を発揮してくれます。
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