夏場の暑さ対策で一番多い、窓の遮熱対策。
みなさんのお家はいかがですか?
夏の陽射しが強い時期は、暑くてエアコンがよく効きない。
光熱費を下げて、エコで快適な生活を送りたい。
それなら、遮熱フィルムを貼ろう、遮熱ガラスに入替えよう。
と考えるわけです。
でもここで少し考えてもらいたいことがあります。
例えば遮熱ガラスに入替えて、夏は快適になったとします。
でもそれは、同時に冬も陽射しを遮ってしまう事になるのです。
つまり夏の陽射し対策をすることは、同時に冬が寒くなってしまうということにつながります。
ですので、同時に私たちはお客様に質問すること、それは
ここのお部屋は冬どうでしょうか?
ということなのです。
そう聞くと、
「窓辺はポカポカでこれは大切にしたいし冬は日が入って気持ちがいい。
冬の陽射しが弱まるのなら、そこまでして夏の遮熱対策はしたくない。」
少数意見ではありますが、
「冬の太陽は低く、この部屋にはどのみち陽射しが届かないから冬は大丈夫」
という声に分かれます。
「窓工房のお客様は、冬の陽射しが弱まるのはダメ。」
という回答が圧倒的に多いようです。
「夏暑いから遮熱フィルム貼る予定だったけど、冬のこと考えてなかったわ」
と喜ばれる機会が増えています。
兼好法師が徒然草で書き残した一文に、
「家の作りやうは、夏をむねとすべし」
家を作るときには、夏の住みやすさを優先して作るのがよい。
という意味になりますが、私はそれに疑問を呈します。
日本は冬が快適になる住まいにすべしです。
なぜなら、夏よりも冬は長くて、光熱費もこの時期が一番かかるからです。
ヒートショックでご年配の方が亡くなられるのも冬の時期です。
ヒートショックが原因で亡くなられる人数は、交通事故よりも多いのです。
エコのために遮熱フィルムを貼ると、 夏は快適になり この時期の電気代は確かに抑えられます。
ですが、冬の陽射しが遮られ 冬の光熱費は上がってしまいます。
お金を出して遮熱フィルムに張り替えたはずなのに、 冬だけでなくて 年間の光熱費も、逆に割高になる!
というケースも普通に起こります。
一番いいのは、夏は遮熱対策をし、冬は遮熱対策したものを取っ払えるもの。
それが理想です。
お金がかからず、簡単なのは 日本のすだれ です。 あとは、ゴーヤカーテン。
冬のあたたかな陽射しを必要とする時期(10月下旬~4月上旬)は、陽射しをフンダンに取り入れて、
(遮熱ガラスではない)エコガラスで光熱費を抑える。 そして夏だけ陽射しの対策をする。
それが一番いいです。
なので 冬日差しが入る窓には、
「遮熱ガラスへの入替え工事」や「内窓のガラスで遮熱をする方法」は得策ではありません。
窓の外側で、尚且つ 冬取っ払える製品が一番いいです。
商品名は、 通風シャッター ・エコアマド、すだれ、ゴーヤカーテン がいいです。
窓で遮熱をするということは、
1、 窓の外側(雨戸やゴーヤ)
2、 窓本体(窓ガラス)
3、 窓の内側(内窓)
この3部門に分かれます。
それでは説明していきますね。
窓の外側で遮熱する
窓の遮熱対策で一番にお勧めしている方法です。
ガラス戸の外側に取付ける商品になります。
雨戸やシャッター、すだれ、ゴーヤカーテンになります。
窓の外側に取付けるのが一番お勧めしている理由のひとつに、
雨戸などと言った外側に取付ける商品は、 必要ないとき収納できる。これにつきます。
日本は夏よりも冬が長い。
冬はグングン窓から陽射しを取り込んだ方がいいのです。
使い方とでもいいますと、
夏の日中は、エコ雨戸や通風シャッターで、日差しカットをする。
それ以外の季節は、戸袋などに閉まって、日差しを存分に取り込む。
こういったことは、窓ガラスや遮熱用フィルムではできません。
商品を選んでみる。
ポイントは、 「ご検討中の窓に雨戸があるかどうか」 という事です。
今の窓に雨戸があれば、
雨戸パネルだけを、通風できる羽根の入った雨戸(エコ雨戸)に交換すればいいわけです。
施工も比較的簡単に済みます。
雨戸でなくてシャッターがついているのであれば、
シャッターの可動部分だけを通風できるものに交換できればいいのですが、技術的にまだ難しく、原則枠ごとの交換になってしまいます。
シャッターを一部取り外し、通風シャッターを設置する提案をする機会が多いです。
少々大がかりな工事になります。
窓ガラスで遮熱をする
窓ガラスで遮熱をするということは、
・遮熱用のフィルムをガラスに貼るか、
・窓ガラスを遮熱効果の高いガラスに入れ替えるか
いずれかの方法になるかと思います。
ここで私たちがお聞きしたいこと それは、冬の日差しは大切ですか?という事です。
「夏は暑くて困るけど、冬は陽射しが入りポカポカ暖かくて 日中は快適 !」
というのであれば、窓ガラスで遮熱対策をしない方がいいです。
冬の暖かい陽射しを遮ってしまうからです。
「この窓は冬は日が届かないから、冬のことは考えなくていい。とにかく夏優先。 」あるいは、
「西日が強すぎて午後は2階の部屋に行けないくらいに暑い!」
というのであれば、ガラスで遮熱対策を施してもいいと思います。
遮熱ガラスとは?
ガラスにも、成分表みたいなものがあります。 我々がよく使う項目は、
・熱貫流率
・紫外線カット率
・日射熱取得率
この3つくらいでしょうか。
(遮音性能はこういった成分表で判断せず、遮音グラフで判断してます)
結露で困っている方には、熱貫流率の低いガラスを選びます。
夏の陽射し 西日対策でしたら、日射熱取得率 の項目をみます。
普通の板硝子を基準に考えてみましょう。
一般的な住宅に使われている板ガラスは、
日射熱取得率は88%(0.88) つまり、
今ある窓ガラスで約1割の日射熱をはじき返してくれています。
この割合を高くすればいいのです。
遮熱効果が実感できる数値は、家の作りや個人の感覚にもよりますが、
おおよそ50~60%くらい つまり、日射熱取得率が、40~50%(0.4~0.5) のものを選べばいいというわけです。
簡単にいえば、半分以上カットさせる ということです。
窓工房がリフォーム用でご提案できる遮熱ガラス
1、真空ガラススペーシアクール
日本板硝子製 日射熱取得率:49%
2、ペアプラス
旭硝子製 日射熱取得率:41%
3、レフシャイン
日本板硝子製 日射熱取得率:22%
※サングラスのような色が入っているガラスです。
一般的な住宅で使用する機会は少ないガラスです。
4、ラミクール
日本板硝子製 日射熱取得率:66%
※太陽の日差しをよくはじいてくれるガラスは、サングラスのように色がつきますが、
透明度がふつうの窓ガラスと同じで、これだけの遮熱効果を実現できているところが特徴です。
紫外線カットと遮熱の違い
「夏、西日が暑くて困ってるので、紫外線をカットしてくれるガラスに交換してほしい。」
このような問い合わせが春~夏にかけて多くなります。
この質問は正しくなくて、暑さの原因は、紫外線ではありません。
紫外線をカットしても 目的は改善されないのです。
夏の日差しのジリジリ感を弱めるには、赤外線(近赤外線)を効率よくカットすることが大切です。
私たち窓工房では、本当に紫外線を抑えたいのか、夏の暑さを改善させたいのか、状況を聞かせて頂きながら 目的を突き詰めていきます。
畳がやけるのを防ぎたい。お肌のシミを防ぎたい。のであれば、紫外線がカットできるガラスを選びます。
ガラスの成分表にある紫外線カット率をしっかりみれば大丈夫。 防音ガラスや防犯ガラスは、紫外線カット率99%と高く、遮熱対策に比べると 対策がしやすいです。
内窓のガラスで遮熱をする
窓の内側で(内窓のガラスを使って)遮熱をする方法です。
一言でいうと、あまりお勧めしていないやり方です。
窓の外側に取付けるスペースがなかったり、規約の問題で取付けできない。
あるいは、防音対策が目的で、同時に遮熱対策も一度にしてしまいたい。
外窓に網の入ったガラスが使われていない。
といった方に限られています。
お勧めできない理由は、
内窓ではじき返された熱の多くは、既存窓と内窓との間にこもったままになります。
こもった熱は、室内側に伝わってきます。
熱が室内に攻めてくるようなものです。
遮熱ガラス入り内窓は、断熱性能も高いことが多く、こもった熱を室内に入れまいと耐える力はあります。
外気温が30℃であった場合、外窓ー内窓の間にこもる熱はそれ以上の高温になりますので、二重窓があるとはいえお勧めできないのです。
また、外窓が網入りガラスであったりした場合は、熱割れが起こる可能性が高まります。
稲妻が走ったようなひびの入り方であれば、物がぶつかって割れたわけではなく、熱割れが原因だと思われます。
終わり 店長より
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